2007年、代々木公園ドッグランは開設いたしました。
当時、東京都は都立公園にドッグランを作るにあたり、細かい条件を設定(駐車場があるとか近隣住宅から離れた場所であるとか等)しました。
その中には、ドッグランの維持管理をお手伝いするボランティア団体があるということも含まれてました。そのため設立前の段階から、東京都と「ドッグランを作る会」等の名称で協議されていましたが、開設と同時に東京都公認のボランティア団体「ドッグランサポーターズクラブ」として、新たに設立されました。
ドッグランサポーターズクラブは、あくまで都の施設であるドッグランの維持管理をお手伝いする立場で、管理責任や権限はありません。
代々木公園の年間利用者数は一千万人を超えます。利用者と犬のトラブルを防ぐ隔離施設という目的でドッグランを設置した経緯があるからか、ただ、囲われた場所の提供にとどまっていたため、我々代々木ドッグランサポーターズクラブは、ボランティア活動の方向性を、単なる「奉仕活動」になることなく、各メンバーの専門性を活用して、東京都への働きかけを含め、より良いドッグランの環境作りを目的に活動しています。
●2010年〜 現在のドッグラン登録システムの全体提案→
開設当初、1回登録するだけでドッグランを利用でき、その後のチェックもなく、実質的に自由に利用できる場所でした。
年々利用者数の増加やマナーの低下もあり、トラブル防止や狂犬病の予防摂種の確認を目的に、年度ごとに更新するシステムを我々サポーターズクラブが提案し、2010年度より採用されたものです。
現在、他の公園の登録制度も代々木で採用されたものが、広がったものです
(登録証の年度ごとの有効期間は、利用者数が膨大であるという代々木の特殊性を考え、次年度9月末までと他公園より更新期間を長くしてます)。
●2009年 超小型犬エリア拡張(交渉により拡張)
開設当時、ドッグランの利用区分は、共用エリア/小型犬エリアでしたが、共用エリア内における超小型犬のトラブルや事故が頻発したため、当初暫定で共用エリア内に一部超小型犬用の場所を作りましたが、代々木公園ドッグランが地元の利用者が多い他のドッグランと違い、広範囲から多くの人が利用する環境のため、犬同士のトラブルを減らす対策として東京都に対して超小型犬の拡張を交渉、実現しました。これを機に現在の大型犬エリア/小型犬エリア/超小型犬エリアの3分割が設定され、総面積も3620平方メートルと都立公園最大になりました。
●2010年 大型犬ドッグラン内の水はけ向上に地中排水管設置(交渉により施設)
初期のドッグランはウッドチップが敷かれていましたが、設置場所の水はけが大変悪く、チップがカビたり腐ったりしたために撤去し土のドッグランになりました。しかし雨のあと長い期間水たまりができ、土入れ等をしてもドロドロの状態で改善されないため公園にお願いし、抜本的な対策として大型犬エリア地中に排水管を施設していただきました。その結果、現在ではほぼ1日経てば水たまりはなくなる状態です。
●2012年 ドッグラン内水飲み場の設置(サポーターズクラブで設置し寄付)
それまで代々木公園のドッグラン内には水飲み場がなく、要望に対して公園はラン外の通路脇の水道を使ってほしいという見解でした。我々は数年にわたる交渉の結果、サポータズクラブの予算で発注し、完成後都に寄付する形で設置することができました。
●ドッグラン関連のVI(ヴィジュアルアイデンティティー)
都立公園内の案内は、いろいろなサインが乱立し公園の美観を乱しています。特に公園協会が制定したピクトグラムは質が悪く(注釈をつけないと解らない)かつ国際基準に準拠していないために外国の方に正しく見られない可能性もあります。そのため登録システムの切り替えを機にドッグランおよびその周辺のサインにデザイン全体計画を設定しました。禁止事項のサインはISO規格に準じてます。
●2019年 登録証の掲示促進のためのストラップ/フォルダー製作、配布
ドッグラン利用時には登録証は「見えるところに掲示してください」となっているので、首にかけるストラップを用意しました。以前、スポンサー(NTT communication様)のご厚意により配布したところ、好評であったたため、現在、サポーターズクラブで作成し、利用者に配布しています。
●2017年 登録証確認のための警備員さん日曜/祝日に配置
代々木公園の来訪者はエリアが広く、特に休日には各地からドッグラン利用者が集まるため、利用に関するトラブルが多く発生していることから警備員さんをドッグラン入口に配置し、入場者の登録証を確認してもらっています。
●2008年〜毎年 わんわんカーニバル主催
代々木公園ドッグラン設立1周年記念イベント(わんわんフェスティバル)を開催したのが始まりで、2017年に10周年を迎えました。次第に規模も大きくなり、犬関係の店舗が80テントほど集まり、毎年約4万人の来場者が訪れる代々木公園春の恒例ドッグイベントに成長いたしました。
●東日本大震災時に緊急動物救援対策本部へ義援金寄付、また、熊本地震時に県庁および益城町にドッグクレートの寄贈
2011年わんわんカーニバル開催1ヶ月前に東日本大震災が起き、開催も危ぶまれましたが、被災された方や動物を応援するために、急遽募金活動をメインのイベントとして開催、集まった義援金を緊急動物救援対策本部に寄付しました。(その後数年にわたり継続)
また、熊本地震時には、熊本県および益城町に対して要望を伺い、被災ペット保護用のクレートを寄贈しました。
●ドッグラン夜間照明の設置要望(現在要望中)
代々木公園はドッグラン内外に大きな樹木が多く茂り、薄暗くなるのが早いのに加え、公園の照明がドッグランの近くに設置されていないため、公園として必要な照度が保たれていない状態です。とりわけ、冬の時期は午後4時半から薄暗くなり、夕方6時頃から勤め帰りに犬の散歩をする利用者が一定数いて、真っ暗な中で利用しています。このため、犬のフンの処理が困難になるばかりでなく、暗い中で大型犬との接触により転倒する事故も起き、大変危険な状態です。最近、昼間でしたが、妊娠されている女性がドッグラン内で犬と接触して転倒し、救急車で運ばれる事故も起こりました。
このため、夕方から夜の早い時間帯のみ点灯する照明設備を設置し、安全と利便性を高めたいというのが弊クラブからの要望です。なお、設置場所は入り口を含む、大型犬エリア/小型犬エリアの境界に設置して、最低限の明るさを確保したい考えです。
現在、東京都に要望を出していますが、なかなか進展しませんが、引き続き要望を出し続けていきます。